みやき町の東尾地区、みやき町役場のあるこの地域は、小高い丘陵や竹林、川の流れるのどかな地域です。
近頃は耕作放棄の畑や、手入れしない竹林、荒れ地が増えてしまったため、イノシシが出現し被害が出てしまい、住民さんたちは頭を悩ませていました。
「荒れ地や、耕作放棄地をどうにかしないといけない!」
そんな思いをもとに、東尾の地元有志が集い、荒れ地を開墾し、農作物の畑を作ることにしました。
人の手が入った、整備された土地は、イノシシが寄りづらくなります。
畑を作れば、イノシシ被害を防ぎ、荒れ地も減って、作物も収穫できる!
一石三鳥の良案に、地元の親父さんたちが賛同し、畑づくりを始めることにしました。
東尾地域でボランティアを募り集まったのは、ほどんどが農業を知らない素人の親父さんたちでした。
「そば」を作ってみよう! と決まったものの、土地の作り方から、そば栽培の仕方、肥料をまく時期、収穫の方法…etc知らないことだらけ、はじめてだらけのそば栽培。
親父さんたちは現代の機器インターネットを駆使して調べあげ、「地元民による、地元のためのそば栽培」がスタートしました。
素人の親父さんたちで手掛けたそばは、すくすく育ち、花が咲き、やがてそばの実が収穫えきるように。
採れた実を粉にして、製麺して蕎麦を作り、地元の人たちに試食してもらったところ…「美味しい!」
佐賀の他地域でそばを作っている人に試食してもらうと、
「こらぁうまか蕎麦ね!」
「どがんして作りよっとね!?」
と、絶賛され、一番美味いと褒められたのでした。
2016年の開墾から、はや3年。
イノシシの被害は減り、荒れ地はそば畑に変身し、美味しい蕎麦が完成しました。
一石三鳥となった東尾の親父さんたちのそば栽培経験は、他のイノシシ被害で困っている地域からひっぱりだこになっています。
その上、美味しいそばを栽培しているとのことで噂になり、色々な企業さんからそばを作って欲しいと依頼が来るほどになっています。
今年も、東尾のそばづくりは、親父さんたちの手で続いています。
地元を愛する、その思いとともに。